最近よく見かけるようになってきたオフィスの壁面緑化。
おしゃれな雰囲気になり、導入を検討する企業も多いのではないでしょうか。そこで、壁面緑化の効果と価格、ポイントをお伝えします。
目次
壁面緑化の効果とは
オフィスの壁面緑化の効果はおしゃれなだけではありません。
壁面に緑化をすることで、床に置いていた植木鉢のスペースを有効活用することが可能になることや、壁面においては広範囲での緑化が可能となることから、緑視率の上昇等により、ストレス軽減効果などが期待され、オフィスワーカーの集中力や生産力の増加にもつながると考えられます。
実用的な面ももちろんあります。
実際にどのようなメリットがあるのか紹介していきます。
1.省エネルギー化を実現
植物には、保温効果があるので、直射日光や外気などから建物を守ります。そのため、冷暖房費を削減でき、省エネルギーを実現できるのです。
電気代も抑えられるので、コスト面でのメリットも大きいといえるでしょう。
2.建築物を保護することができる
直射日光が当たる壁は夏と冬で60℃まで差がひらくと言われています。
また、経年劣化などによる、汚れや塗料の剥がれなども企業のイメージをダウンさせる要因になりうるのです。そうした悩みに対してメリットがあるのが、壁面緑化です。
屋上や壁面を緑化することで、温度変化を少なくできるので建物の膨張や縮小を最小限に食い止めることができます。
また、汚れなども目立ちにくくなります。
壁修復のためのコストを削減することができるといえるでしょう。
3.環境への配慮を実現
現在、都心ではヒートアイランド現象が大きな問題になっています。
壁面緑化により、植物の蒸発散が起こり、周囲の温度の上昇を抑えることができるのです。
緑地を確保しにくい都心においては、ビルの壁面緑化はヒートアイランド現象を抑える有力な手法だと考えられています。
4.企業のイメージアップ
壁面緑化でおしゃれに見え、企業の印象をアップさせることができます。
また、「3.環境への配慮を実現」と関連して、環境対策に敏感な企業だと周囲から認知され、CSR企業としてイメージアップを図ることができるでしょう。
壁面緑化の価格
壁面緑化の価格は、どの素材を使うか、どのような条件で緑化するか、植える植物を何にするかなどで、価格が変わってきます。
一例としては、緑化する壁面を天然木で仕上げる場合には、40〜45万円ほどの費用がかかります。
一方で、人工物でもよければ、木目調化粧板仕上げの方法をとることもでき、こちらは35万円ほどで設置できます。
オーダーメイドなども可能なので、いずれにしても、業者に依頼する場合には条件などを整理して見積もりをもらう必要があるでしょう。
また近年では、フェイクグリーンの緑化なども登場してきており管理が簡単になってきています。
壁面緑化メンテナンスのポイント
壁面緑化にはメンテナンスが必要です。植物には、照度、湿度、温度が大きなポイントになってきます。
この3つを植物の種類に合わせて、コントロールしてみましょう。
すべての植物に共通するメンテナンスは、下記4つです。
1.水やり
植物の状況を見たり、種類による特性を把握したりして、適量の水を与えましょう。
2.剪定
植物が成長しすぎて、景観は損なわれていないか、通行人の邪魔になっていないかといった観点から樹木の形を整えます。
また、剪定には通気性を良くする効果もあり、壁面を涼しく保つことに一層の効果を発揮します。
3.肥料を与える
中には、日当たりなど条件が悪いところで、生育しなければいけないケースもあるでしょう。
そうした場合には、特に堆肥が欠かせません。植物に必要な適量を与えるようにしましょう。
4.害虫駆除・対策
せっかく壁面緑化をしても、虫がわいてしまったら快適度はかなり損なわれてしまいます。
また、それだけでなく、近隣からのクレームにつながる危険性すらあるでしょう。
そこで、害虫対策を常に行い、万が一発生してしまった場合には、駆除を迅速に行っていく必要があります。
では、壁面緑化のメンテナンスはどのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。
あくまで目安ですが、オフィスなどで、決まった人が出入りする施設であれば一ヶ月に1回ほどのメンテナンスでOKです。
ちなみに、商業施設の場合には、一週間に一回、観賞用の場合には毎日のメンテナンスが適当です。
壁面緑化にオススメの植物
壁面緑化には、多くの場合、つる植物が用いられます。
成長の早さ、手間のかからない省管理型、花が咲くもの、特定の季節に美しいものなど、種類は多様です。
緑化する壁面の状況に合わせて、植物を選んでいくとよいでしょう。
ナツヅタやヘデラは成長も早く、色が美しいため、壁面緑化には最適です。
例えば、へデラの種類は省管理型としてよく用いられます。その中でも、様々な違いがあり、例えばヘデラ・カナリエンシスは比較的成長が早かったり、ヘデラ・へリックス・グレーシャーは低い壁面に適していたりする特徴があります。

ヘデラ・ヘリックス・グレージャー
また、ハゴロモジャスミンは初夏に芳香のある花が咲きますし、ナツヅタは秋の紅葉が美しいです。
こうした、時季の魅力を楽しむのも壁面緑化の醍醐味だといえるでしょう。

ヘデラ・カナリエンシス
いますぐDIYできる壁面緑化のポイント
大規模オフィスはプロへの相談が欠かせませんが、中小規模のオフィスを自分で壁面緑化したいと思う方もいるかもしれませんね。
そのために必要なステップの一例をご紹介します。
- Step1:組み立て済みパネルを壁面に設置します。同時に散水システムを配管しましょう。
- Step2:根の乾燥を防ぎ、おしゃれ度も増すので、壁面緑化の壁・枠をつけます。
- Step3:吸水性の高い専用のスポンジに苗を植えて固定します。
- Step4:カートリッジ式の専用ポットにスポンジに入れた苗を収めます。
- Step5:カートリッジができたら、壁面の枠に取り付けていきましょう。
- Step6:散水システムを試し、正常に動くか確認しましょう。
フェイクグリーンによる壁面緑化
壁面緑化は説明してきたように、デザイン性だけでなく、オフィスワーカーの集中力や生産力の増加にもつながると注目されていますが、複雑なシステムを組んで設置する生木での壁面緑化は施工が複雑で、高コスト、また、生きた植物を管理するためのランニングコストが非常に高く、導入が難しいというお客様の声を良くお聞きします。
そこでお勧めしたいのがフェイクグリーンによる壁面緑化です。
低コストでの施工が可能であることや、維持管理にコストがかからないこと、またお客様のご要望に応じて、様々なデザインに仕上げることが可能となるため、様々なシーンで導入されています。
フェイクグリーンのタイプ
フェイクグリーンには主に3つのタイプがあります。
グリーンだけを活用するタイプ、グリーンに差し色をまぜるタイプ、グリーンで模様を構成するタイプです。
フェイクグリーンの事例
フェイクグリーンでの壁面緑化の事例をご紹介致します。
まとめ
オフィスの壁面緑化については、生木の場合はメンテナンスは必要ですが、デザイン性だけでなく、社員の生産性向上などのメリットは大きいです。現在では技術の進歩にともないフェイクグリーンでの事例も増えてきております。ぜひ、色々なパターンを検討してみてはいかがでしょうか?
オフィスハンズでは、複数の壁面緑化のデザイン事例を提案可能ですので、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。