オフィスに喫煙ルームを設置する必要性とポイント

現在、健康への意識の高まりなどにより肩身がせまい思いをしている喫煙者は少なくありません。受動喫煙は社会的に大きな問題となり、分煙意識はどんどん広がっています。加えて、会社では「喫煙する時間=サボり」とみられることもあり、こっそりタバコを吸いに行く社員もいるようです。

経営陣としては、社員の健康や働きやすさを鑑みて、喫煙者と非喫煙者のニーズ双方を守っていく必要があるといえるでしょう。こうした状況から、分煙が進み多くのオフィスに喫煙ルームが設置されています。

そこで今回は、喫煙ルームの設置について解説していきます。

喫煙所

喫煙ルーム設置の必要性

企業には、従業員の健康を守る義務が課せられています。万が一、オフィスにおけるタバコの煙が原因で社員が健康被害を被った場合には、企業はその責任を負わなくてはなりません。
実際に、受動喫煙が原因の社員の疾患に対し、企業が700万円の損害賠償を支払ったケースもあります。

喫煙室設置の必要性の高まりから、助成金制度活用が広がっています。この助成金は以前は飲食店などのみでの適用でしたが、平成25年から全ての中小企業(労働者の数や資本金の規模に制限あり)を対象に、工事設備費などの2分の1が助成されることとなりました。なお、助成の上限は200万円とされています。

こうした制度を上手に活用して、喫煙者・非喫煙者双方の従業員の健康的な働きやすい空間の実現が求められています。

最適な設置場所選び

喫煙スペースはどこに設けるとよいのでしょうか。前述した助成金を受けるには、喫煙「コーナー」ではなく喫煙「室」にすることが求められます。また、助成金の対象になるには、喫煙室を屋外ではなくオフィス内に設置する必要があります。排気装置を設置しやすい場所、きちんと間仕切りできるスペースといった観点から喫煙室の設置場所を選んでいきましょう。

喫煙ルーム

喫煙室工事の内容

喫煙室を設置するには工事が必要になります。工事では、間仕切りや扉を作り、タバコの煙が外に漏れないようにしなければいけません。
また、空気がこもり続けるようでは、健康被害や安全面に問題が生じかねません。そこで、空調や排気装置の設置も重要です。また、火災のリスクもありますから、スプリンクラーの取り付けも必須です。

喫煙室に必要な機能について厚生労働省のガイドラインには、「煙やニオイが喫煙室外に漏れないこと」「喫煙室内も良好な空気環境を維持すること」と記しています。まとめると、以下の3つの機能が欠かせないとされています。

  • ・喫煙室を囲う床から天井までの間仕切り
  • ・煙を直接屋外へ排出するための装置
  • ・非喫煙スペースとの境界(出入口)に喫煙室内に向かう0.2m/sの空気の流れをつくる設計

以上の通り、クリアすべき条件があるので設置業者と入念に打ち合わせた上で取り掛かる必要があります。
それでは、喫煙室に設置する設備をひとつひとつ紹介していきます。

喫煙室に設置する設備

喫煙室

間仕切り・扉

喫煙室設置による助成金をもらうためには、他のエリアと隔てるために間仕切りと扉が必要です。煙が漏れるようでは、区切る意味がありませんから天井や床の隙間が空いていないタイプの間仕切りを選ぶことが多いです。
その場合、アルミパーティションなどで天井まで仕切って部屋をつくることが効果的でしょう。ドアはスライドドアにすると、省スペースで設置可能です。
また、ドアを開けた時の開口面積に対して、0.2m/s以上の速さで喫煙室に向かう空気の流れができていれば、ほぼ外に煙が漏れることがないといわれています。エアカーテンをつければさらに効果的ですので、扉の設計とともに設置業者に問い合わせておくとよいでしょう。

空調・排気装置

空調と排気を担保するためには、換気扇を取り付けることが重要です。換気扇を付けることで、喫煙所内側に向かう空気の流れ生みつつ、外への換気をするのです。スペースによって、換気扇の適切な容量が違うので、そのポイントも確認する必要があるでしょう。
窓につけるタイプの窓換気扇であれば、工事費含めても安価で取り付けることができます。一方で、天井換気扇や排気ダクトを伸ばして排気するものであればそれ相応の費用がかかりますのでご注意ください。
また、空気清浄機の設置も検討してみてください。現在では、エアカーテン一体型の空気清浄機を設置する方法などもあります。これにより、煙や臭いの流出を削減することができます。

灰皿

タバコの灰を受けるだけの一般的な灰皿を置くだけでなく、吸引性や空気清浄機能付きの灰皿を置いている喫煙室も登場しています。こうしたハイ機能の灰皿は、標準的な使用人数と設置スペースの大きさから選んでいくとよいでしょう。

スプリンクラー

完全に仕切られた喫煙室を設置する場合には、施設によってはスプリンクラーや火災報知器の設置が必要になります。管轄の消防署予防課に相談して確認する必要があります。
スプリンクラーも簡易的なものから、かなり費用がかかるものまで多様です。規定によってどのようなものを取り付けるべきかが違うので、きちんと確認をして対応していく必要があります。
また、スプリンクラーヘッドの位置をずらす、増設する、タンクの容量などによっても費用が異なるので事前にチェックした上で選定しましょう。
工事費用は設置現場の状況によって変わります。業者に概算見積もりを依頼する際には、一度現場か図面を見せておくと精緻な見積もりを得られます。

今、注目の「分煙キャビン」

分煙キャビンはスウェーデンのQleanAir(クリーン・エア)社が開発したシステムです。タバコ由来のガス状成分と臭いを除去し、「喫煙」にまつわる諸問題を解決できる次世代の分煙ソリューションとして、世界で注目されています。

「分けるべきはタバコの煙であって、人ではない。」これがクリーンエアの製品コンセプトで

商品のポイントは、
・タバコの煙と臭いを完全に除去し、快適な空気環境を提供可能
・屋内で100V電源があれば、どこにでも設置が可能なため、喫煙室のために新たに部屋を用意したり、大掛かりな設備工事なども必要ない
・国内でも三菱商事、三井不動産といった大企業からアドウェイズなどのベンチャーまで導入が開始されています。

まとめ

これまで説明してきた通り、オフィスの喫煙室設置は多くの企業が行うようになってきています。これは厚生労働省の「職場における喫煙対策のためのガイドライン」による働きかけの成果でもあります。
現時点では喫煙室の設置は法律によるものではなく、あくまでガイドラインで提示されているのみです。加えて、喫煙場所の設置も義務化されているわけではありません。

最後に、ガイドラインにはどのような指針が述べられているのかをご紹介しましょう。
ガイドラインの冒頭には下記のように記載されています。

非喫煙者の健康への影響が報告され、また、非喫煙者に対して不快感、ストレス等も与えていることが指摘されており、職場における労働者の健康の確保や快適な職場環境の形成の促進の観点から、受動喫煙を防止するための労働衛生上の対策が一層求められている

つまり、受動喫煙による健康被害だけでなく、ストレスなど精神的な問題にも言及しているのです。
そして「適切な喫煙対策の方法としては、事業場全体を常に禁煙とする方法(全面禁煙)及び一定の要件を満たす喫煙室又は喫煙コーナー(以下「喫煙室等」という。)でのみ喫煙を認めそれ以外の場所を禁煙とすることにより受動喫煙を防止する方法(空間分煙)がある」と伝えています。

その上で、空間分煙の具体的な方法に迫っているのが当ガイドラインになります。オフィス分煙の方法に迷ったら、ぜひこのガイドラインに立ち返って正しい整備をしていきましょう。


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